Suemori Toru
「哀原-24」
(アクリル・ミクストメディア A1)
【売約済】
末 盛 徹 展
(平面)
2000.1.6(木)〜16(日)
(AM12:00〜PM8:00 9,16日AM11:00〜PM3:00)
「哀原-No.1」
【売約済】
「哀原-No.25」
84x60cm
(1999年制作 パネルにアクリルミクストメディア)
【売約済】
T-BOX LETTER
オブラートの境
末盛徹展
「哀原」(死の世界)から明るい(生の世界)方向に向かい、どんどんスピードを増して進んでいる様である。
末盛徹の意識がある方向に一直線に向かう力がスピード感を生むのだろう。
だが、たった一枚の薄く、破れ易いオブラートのような幕がまだ二つの世界を分けている。
その幕に付けられた疵は、彼の傷跡。若しくは幕を破ろうとした時の疵跡か。
そこは今の末盛徹がたどり着いた、向こうが見える場所なのである。
長い道のりかも知れなったが、やっと彼が元々居た場所の近くにたどり着いたのである。
癌に侵され、意に反し、生きる道を変えられた末盛の生活が、少しづつ元の世界に戻りつつある。
新しい世界はすぐそこに見える。
だが新しい世界が見えるのと、そこに立つのは違う。
末盛徹が何かを感じ境を超えられない理由は、そこに立てるかとの不安である。
オブラートの境、それは彼が未知の不安を宿しながらも破られようとしている。
破った後にどんな世界があるのか彼は解らない。
だが、今の末盛徹には失うものは何もない。
あるのは新しい世界だけである。
オブラート一枚の厚さが本当に厚く感じるのは、そこを破った後からなのであろう。
(高橋盛夫)
(会場風景)
作家DATA